ネット通販で8,000円程度で入手できる6自由度ロボットアーム組立キット(模型or玩具品的な物)を購入しました。このロボットアームの組立に関して紹介します。
このロボットアーム組立キットは、ロボットアームのみの製品で、コントローラは付属していません。コントローラの部分は別に用意する必要があります。
このロボットアームは模型用のサーボモータを6個使用した6軸ではありますが、先端部のグリッパーの開閉動作部分を含めての6軸なので、通常の産業用の5軸の垂直多関節ロボットに相当します。
今回は、このロボットアームの組み立てに関して紹介します。コントローラに関しては別記事で紹介します。(ロボットアームのコントローラに関しての記事はこちらです)

ロボットアームの動作動画
以下は、マイコンボード Raspberry Pi Pico Wをコントローラとして使用して、このロボットアームを制御した時の動画です。
Raspberry Pi Pico Wを使用したコントローラに関しては別記事で紹介します。
ロボットアーム組立キットの状況
1.パッケージ
図1の左図が今回購入した6自由度ロボットアーム組立キットのパッケージの外観です。全てがビニール袋の中に入っていました。
右図がパッケージの中身です。サーボモータ、フレームとねじ類、サーボホーンがそれぞれ別の袋に入っていました。
また、英文の組み立て手順書が入っていました。

2.全部品
ロボットアーム組立キットの全部品の写真です。
6個のサーボモータとサーボマウントブラケット、フレーム類、グリッパー等から構成されていました。部品に書いてあるアルファベットは、後述の組立説明の中で部品を特定するのに使用します。

3.付属サーボモータ
サーボモータはMG996R (TOWER PRO)の互換品と思われる物が6個付いていました。図3がサーボモータとその付属品です。
正規品のMG996R (TOWER PRO)は1個2,000円程度しますので、本ロボットアーム組立キットの価格全体で8,000円程なのでサーボモータの精度や耐久性は分かりませんが非常に低価格です。

4.ねじ種類
図4はロボットアーム組立キットに付いているねじ類の写真です。各種ビスにはスプリングワッシャが付いていないので、ビスを締めた後に緩んで落ちてしまうことがありました。ビスはきつめに締める必用があります。
ビスとナット(J)が不足気味で、4本締めのところを、とりあえず2本締めにした箇所がありました。

組み立て手順
①ベース部の組立
全部品図(図2)で「D」と書いてあるフレーム部品の3個を下図の様に接続します。フレームのビス用の穴径がビスの太さぎりぎりで、無理やりねじ込みながら通しました。スプリングワッシャが付いていないので、しっかり締めないと、ナット側が緩んで落ちてしまうことがありました。

②ベース部分へのサーボマウントブラケット(B)の取付
下図の様に、サーボマウントブラケット(B)に、軸受け(K)を取り付けた物を①で組み立てたフレームに取り付けます。

③ベース部分に第1のサーボモータ取付
下図の様に、②で作成した物のサーボマウント部分にサーボモータ(A)を取り付けます。サーボモータは軸を手動で回転させて、時計方向一杯の回転と反時計方向一杯の回転の中間位置で停止させておきます。

④サーボホーンの取付とフレーム(E)の取付
サーボモータの軸にサーボホーン(G)をサーボホーンの4個のねじ穴が下図の様な向きになるように取り付けます。
その後にフレーム(E)を取付けます。フレーム(E)の上にさらにサーボマウントブラケット(B)を取り付けてビスで抱き締めするので、サーボホーン(G)とフレーム(E)のビス固定はここではしません。

⑤サーボマウントブラケットの取付
下図の様に、サーボマウントブラケット(B)に軸受け(K)をビスとナットで取り付けた物を④で組んだフレーム(E)の上に載せてビス4本で、サーボモータのサーボホーンに抱き締めで固定します。

⑥第2のサーボモータの取付
下図の様に、上端のサーボマウントブラケットにサーボモータを取り付けます。

➆第2のサーボモータにフレーム(E)を取付
2個のフレーム(E)を下図のように⑥で組み立てたサーボモータのサーボホーンに取り付けます。

➇第3のサーボモータ周辺部の組み立て
下図の様にサーボマウントブラケット(B)に軸受け(K)をビスとナット(J)で取り付けて、それにブラケット(C)を取り付けます。
さらにサーボマウントブラケット(B)にサーボモータ(A)とサーボホーン(G)を取り付けます。

➈第3のサーボモータ部分をロボット先端に取付け
前記➇で製作した部品をロボットの先端のフレーム(E)に取り付けます。(左図)
さらに、その先にフレーム(E)をビスとナット(J)を使用して取り付けます。(右図)

➉第4のサーボモータ取付部の製作
サーボマウントブラケット(B)を2個使用して、1個に軸受け(K)を取り付けて、2個のサーボマウントブラケット(B)を下図の様に接続し、更にサーボモータを取り付けます。

⑪第5のサーボモータの取付
前記⑩で製作した部品をロボットの先端のフレーム(E)に下図のように取り付けます。
更に、先端に右図の様にサーボモータ(A)を取り付けます。更にサーボモータにサーボホーン(G)を取り付けます。

⑫グリッパーの組立
下図に示すようにグリッパーを組み立てます。

⑬グリッパーの取付
ロボット先端のサーボモータのサーボホーンにグリッパーを取り付けます。必要に応じてグリッパーのねじの締め具合を調整してグリッパーの開閉がスムーズに出来るようにします。
以上でロボットアームが完成しました。コントローラは付いていないので別に考える必用があります。

最後に
業務で市販の産業用ロボットをファクトリーオートメーションの現場で使用して来ました。それらは完成品のロボットとコントローラのセットで、ロボットの動作プログラムやティーチングを主として行ってきました。根本的な所がブラックボックスなので物足りない感じもありました。
そこで、趣味としてロボットのコントローラを自作したいと思いました。
対象となる安価なロボットを捜したところ、ネット通販で8,000円程度で入手できる6自由度ロボットアーム組立キットを見つけたので購入しました。このロボットアームは、産業用の垂直多関節ロボットに近い形をしています。
このロボットアーム組み立てキットは、ロボットアームのみの製品でコントローラは付属していません。コントローラは自分で工夫する必要がありますので逆に自由度があり面白いと思いました。
今回コントローラは、手元にあったRaspberry Pi Pico Wを使用してみました、それに関しては別記事にて紹介します。(ロボットアームのコントローラに関しての記事はこちらです)